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メメント・モリ

第2章 親友クロサキ


小学や中学の時、クラスの男の子でカッコいいなって思うような子は居た。
それくらいの事は雪菜にも日常的にあった。

けれど、漫画やドラマのような『愛』を誰かに抱いたことは今までに一度もない。

どうしたらそんな想いを持てるのか、誰もそんなことは教えてくれないし、やり方なんてそもそもないのかもしれない。


得体のしれない『恋愛』を想像しながら雪菜は黒崎に熱く語る。



「世の中の流行の曲ってさ、恋愛の歌ばかりでしょ。両想いで幸せって曲か、片思いで寂しいって曲ばかりじゃない?きっと本当の恋愛って物凄いものなんだと思う・・・・。」



「ものすごいもの・・って。早瀬さんぐらいですよ、この歳になっても恋愛経験ないって人は。」



「だーかーら、誰かを好きになりたいって今いってるんじゃない。どうにかして恋愛しようってがんばってみるけれど何していいか分かんないし。そうしているうちに恋愛なんてどうでもいいやってエネルギー切れになっちゃうし・・。」



「で。なんで恋愛に充てようとするエネルギーが睡眠エネルギーなんですか?」


黒崎は少し呆れた顔をしてくすくすと笑う。



「私、食欲よりも、睡眠欲のほうが3倍くらい強いもん。ありあまってる一番多い欲を充てようと思って…。」



その答えを聞いて、黒崎は今度は盛大に笑って見せる。






「早瀬さんはそこに出てない欲が一番強いでしょ?」






「なっ!!!」


一瞬にして顔が熱くなるのを感じて、俯く。
彼の肩をばしばしと叩いた。







「痛いって。そんなひどいことするならもう抱いてあげないですよ?」





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