第7章 NOVE
ブーン・・・ブーンと耳元でバイブ音がする。
手を伸ばして鞄をさぐり携帯を取り出す。
・・・液晶画面がまぶしい。
21時。
「・・・もう9時なんだ。」
メールが届いていた。
「う・・神代くん・・、と黒崎くんだ。」
一瞬忘れていたのに、ファミレスの事をまた思い出して心が重たくなる。
神代君・・・なんか今は話したくない。
「私はもう寝ました。」
携帯に直接声を出していい訳をし、神代君のメッセージを見ないことにした。
黒崎君からのメッセージを見る。
『携帯の充電器返してもらうの忘れた。』
あ!しまった!
帰るまでに絶対返してねって言われてたのに。
ファミレスの話題で充電器のことなんてすっかり頭から飛んじゃってた。
ぐっとソファーから立ちあがってみると、自分がかなり元気なことに気づく。
手を伸ばしてカーテンを開けた。
「そうだ。黒崎君のバイト先にいこう。」