第11章 束縛
頭の上に?が浮かんだまま、彼女は掴まれた手首を見つめていた。
「僕はこうして早瀬さんと飯食ったり買い物行ったり、たまにじゃれあってンのが楽しくて好きなンですよ。」
シュッと右手でネクタイを外すと、二つ折にして彼女の手首に巻きつける。
「・・・黒崎くん?」
「それが急に無くなったりしたら、僕、凹みますから。」
巻きつけたそこからくるっと輪に通すようにして簡単に彼女を拘束した。
穏やかに話をしているからか、彼女は不思議な顔をしたものの抵抗はしない。
「・・・これ・・・」
「たまには束縛、してみようかと思って。」
なんでもないことのように軽く笑って見せる。
「・・・・。」
そんなに簡単に僕との関係を捨てられないように教えてあげなくちゃね。
少し力を入れて、彼女の身体の上にあるベッドの飾りにネクタイをひっかける。
時々AVなんかで見るような格好をした彼女の姿がそこにあった。
「ちょっ・・ちょっとまって!」
状況に恥ずかしくなったのか、ばたばたと暴れだす。
・・・・でも本気で嫌がってない。
「っとに、マゾですよね。早瀬さん。」