第8章 落とし穴
結局。
―――叶えてあげるの?
という問いに答えられなかった。
それをするのならば、自分が相手を好きになる日が来るのを待つか、それができずに彼に好きだとウソを付き続けるか・・・しかない。
そして、それはきっと長く続けられるものじゃない。
煙草を買ってくると言われ、コンビニの前で待っていた。
もう11時になるのに、外を歩いている人は多い。
少し・・酔ってるのかな。
セイが話しをし易いのもあるけど、いきなり私の中の想いを話しすぎてしまったかも。
・・・変な奴って思われたらどうしよう。
・・・あ。
もう思われてたんだっけ。
「あれ?雪菜?」
名前を呼ばれた方を見てびっくりした。
「・・・・・・・神代君・・・」
そこには自転車を引いた神代君が立っていた。