【カードファイト!ヴァンガード!】 ~クレイの神子~
第2章 転校初日
ハルカ「それは…でも、一つくらい何かしてみたいよっ!!」
ダッ__!
逃げるように走り出した。ナイトの呼び止める声が聞こえたが、追って来られないように闇雲に走り、気が付けば校舎裏に来ていた。
ハルカ「はぁ…言い過ぎたかなぁ?私の事を心配してくれてるのは分かるけど、でも…」
私は小さい頃、『共鳴ノ儀』が切っ掛けで急に眠気に襲われ、所構わず眠ってしまう。酷い時には数日間眠り続けた事もあるからか、皆は気にかけてくれる。
不良生徒①「あれぇ?君、見ない顔だねぇ?」
ハルカ「!」
不良生徒②「お、本当だ。可愛いじゃん♪」
振り向くと、ガラの悪そうな男子生徒数人に周りを囲まれていた。考え事をしていて気が付かなかった。
不良生徒③「君もしかして、話題の双子転校生か?美男美女って噂の」
不良生徒①「え、マジ?ちょー可愛いじゃん!ねぇねぇ、オレ達とカラオケ行かない?奢るからさ」
ハルカ「す、すみません…遠慮します…っ」
精一杯強がってみせるが、恐怖で声が震える。
不良生徒②「震えちゃって、ますます可愛いねぇwww」
③「行こうぜ?退屈はさせねぇからよ♪」
そう言って腕を掴まれた。
ハルカ「い、いやっ!!」
腕を振り解こうと抵抗したその時!うわぁっ!と言う叫び声と共に腕の圧迫感が消え、目の前には腕を掴んでいた不良が倒れていた。何が起こったのか分からなくて呆然とする。
不良生徒①「だ、誰だっ!」
不良達の後ろに誰かがいた。
櫂「……………。」
三和「その子、俺らのクラスメイトなんだけど?女の子ナンパすんのはいいけど、俺らの目の届かないトコでやってくんない?」
不良生徒②「お、おい止めとけ!コイツら櫂トシキと三和タイシだ!」
不良生徒③「チッ、行くぞ!」
不良達は慌てて走り去って行った。
三和「大丈夫だったか、妹ちゃん?」
ハルカ「…あ、うん!ありがとう!(い、妹ちゃん?)」
三和「ここは奴らの溜まり場になってるから、近づかない方がいいよ?」
ハルカ「う、うん。分かった。…あ!何かお礼!」
三和「別にいいって。そんなつもりで助けた訳じゃないし。な、櫂?」
櫂「…行くぞ」
櫂が一人で歩き出す。
ハルカ「あ、待って!!」