【カードファイト!ヴァンガード!】 ~クレイの神子~
第4章 Shall we dance?
走り回っていたが、逃げる場所が無くなってきてしまった。いい加減疲れてきたので、外の空気を吸おうとバルコニーに出た。すると人影が…。
ハルカ「あ、櫂くん?」
櫂「…お前か」
ハルカ「こんな所に居たんだ…何してるの?」
櫂「騒がしいのは好きじゃない」
ハルカ「そうなんだ…」
櫂「……。」
ハルカ「……。」
か、会話が続かない…っ!
参加者達「居たか?!もっと良く探せ!」
ハルカ「や、やばっ?!」
追いかけて来た参加者達がこちらに近づいてくる!
スッ――。
ハルカ「え…?」
隠れる場所を探すが、ここはバルコニー。隠れる場所なんて何処にもない。
私がアタフタしていたら、急に目の前が暗くなった。
ハルカ「かっ、櫂くん!?」
櫂「しっ、静かにしろ…」
ハルカ「!? ?!」
櫂くんが私を隠す様に抱きしめていた!
私の心臓は破裂しそうなくらいに脈打っている!
ハルカ「っ…!」
早くどこか行って~!と、必死にその場をやり過ごす。
心臓の音が櫂くんに聞こえてしまうんじゃないかと思うと、一層鼓動が早くなった。
バタバタ――。
数人の足音が遠ざかって行く。
足音が聞こえなくなってから、私が顔を上げる。
ハルカ「櫂、くん…?」
櫂「逃げてきたんだろう?」
ハルカ「な、何で知ってるの?」
櫂「ここまで聞こえてたからな」
ハルカ「あ、あはは…」
話の途中で気が付いた。
追って来てた人達が遠ざかって行ったにも関わらず、未だに私と櫂くんの距離が近いという事に…。