第5章 【第4章】ついに明かされる先輩の秘密!!
ここでまたジンペイが突飛な発案をかます。
「じゃあオレたちでフレアルーパーと戦えばいいじゃん!!」
『え!?』
「そっか!夜に動き回らないように、昼のうちに運動させるってことだね!」
「さすが兄貴、いい作戦だ!」
「確かに名案だな。チユを傷付けた罪を、その体に分からせてやる」
「そうだね。女性の体に火傷を負わそうとした罪は重いよ」
『え、えぇ〜』
割とノリノリな雰囲気にたまらず情けない声が出るチユ。助けを求めてチアキとノーズの方を見るが、2人は首を振り、諦めろと言わんばかりの態度である。
「ほら、早くその爬虫類、手放した方がいいっスよ」
「妖怪や怨霊の部類みたいだし、多少無理させても大丈夫だろう」
『ふ、2人まで…』
チユは己の腕の中で船を漕ぎ始めるフレアルーパーを見る。フレアルーパーのことも心配だが、本来の姿に戻ったこの生物の相手が、果たして彼らに務まるだろうか。
『ほ、ほんとにやるの…?』
「おう!いい腕試しになるぜ!」
「ああ、いつでも来い!!」
やる気満々な彼らを止めることなど、もう誰にもできないだろう。彼女は諦めたように息を吐くと、フレアルーパーに優しく話しかける。
『ルーくん、起きて。私の友達が、ルーくんと遊んでくれるんだって』
「ルー、友達、遊ぶ?」
『うん。あと、夜の姿になっても大丈夫だって』
チユがそう言うとフレアルーパーは眠たげに閉じかけていた目を見開きパァっと輝かせる。
「ルー、本気、なれる?」
『…うん』
チユが頷くと、フレアルーパーはチユの腕から飛び出し、空中を泳ぎ始める。
そして見上げるほどの位置で留まると、フレアルーパーの体は煌(きら)めき、赤く燃え上がり出した。
それはフレアルーパーを包み込む炎となり、だんだん大きくなっていく。
先程の怨霊テニスボールほどとまでにはいかないが十分大きい炎は次第にある姿を象(かたど)っていく。
そう、それはラントが見せた動画にあった姿と同じ形をしていたり
頭から生える2本のツノ。
バランスの取れた細身な筋肉質の体。
力強い腕と足。
そしてその体を浮かせる恐竜のように巨大な翼。
炎の中から姿を現したそれは自分の真名を叫んだ。
「_バーニングドラゴン!!!」