第4章 【第3章】ミステリアス美少女発見!!からのトラブル発生!!
「ああ、君に聞きたいことがあってきた」
『聞きたいこと…?』
首を傾げるチユ。しかし2人が話している間にもヒートアップしていく狐と獅子の争い。
「今日で終わりにしてやる!!」
「それはこちらのセリフだ!!」
2人の体から燃えるような妖気が迸(ほとばし)る。
すると何処からか唸り声が聞こえてきた。
〈ゔゔゔ〜!!騒グノワ誰ダ〜!!〉
テニスコートの中央付近から突然、見上げるほどの巨大テニスボールが現れる!!
そのテニスボールには力強そうな四肢が生えており、大きく裂けた口は人を軽く飲み込めそうなほどあり、つり上がった目はギョロギョロと忙(せわ)しなく動いている。不気味なことこの上ない見た目にチユは震え上がる。
『な、何あれ…』
「チユ、下がれ!!あれは怨霊だ!!」
素早くチユを背に庇うラント。チユは突然現れた怨霊と呼ばれるそれに身を縮こませていた。
『怨霊…?なんでそんなのがいきなり…?』
「大方、2人から溢れ出た闘争心に火をつけられた、と言ったところか…」
怯えるチユを前にテニスボール怨霊は大声を出して喚(わめ)き散らした。
〈オレワ人間ニ捨テラレタ!!マダ沢山使エルノニ…〉
_「汗がついて汚いから」
_「土がついた、もう使えない」
〈ソンナ身勝手ナ人間ニ使ワレルナド、コチラカラ願イ下ゲだ!!オ前タチニ、オレノ痛ミヲ分カラセテヤル!!〉
「なんだよそれ!ただの八つ当たりじゃないか!」
「そうだよ!だいたい、僕たちはテニス部員じゃないし!」
「そういうのは九尾の野郎に言え!!」
「僕はまだテニスボールを捨てたことはないよ!!」
しかしそれぞれの言い分もなんのその。怨霊テニスボールは臨戦態勢に入っている。
「行くぞ皆!!」