第3章 3本目は愛あるレイプで/卵胎
日が暮れてきて、二つの月がはっきりと夜空を彩った。
全裸で身体を休めていても、不思議と体調は悪くならない。
小桃が肌寒いと思えば周囲は暖かくなり、逆に暑いと思えば涼しくなる。
1日に2度の出産をし、小桃はもう眠ってしまいたかった。
この先、触手だけがいるこの世界で私は『母』、イブとなるのだろうか。
有性生殖も無性生殖もできるのなら、どうして私は母胎になっているんだろう……
火照ってだるいぼぅっとする身体と頭で思う。
単に効率の問題と、近親相姦で繁栄した一族が病気などを受け継いでしまうように、触手にもそういった病巣を取り除いて人間から補うことで解決するためでもある。
男は射精したあと、妊娠するために動けないでいる女を守るために賢者タイムというのがある。
何しろ孕ませた女が全裸という無防備さで、しかも動くこともままならないのだ。
つまり今の小桃は、守られる者がいないまま、その無防備を晒していることになる。
発情期のオスハーレムに、射精されれば1発妊娠!とかいうメスが、好きなだけレイプしてくださいと言っているようなものだ。
湖のほとりにいる人間の女は、繁殖相手には最適だぞと触手たちの間で広まり、次にやってきた触手は全裸で寝そべる小桃をこれ幸いと見つけた。