Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第4章 出会い
いないと分かっている。窓が開いていた。ローブも無くなっている。終いには形見を置いて行っている。
連れていかれたとしたら地上だろう。この地下に留まる理由などない。
頭で分かっているが、自分の体は理解していない。地下街中を走り回り、少しでも白銀の髪が見えはしないかと当たりを見渡す。
ステラがいなくなったと気付いてどれ程経過したか分からないが、イザベルとファーランに止められるまで自分が何をしているかも理解していなかった。
ステラがいない、何故だと騒ぐこいつらに握りしめたペンダントを見せる。一瞬で二人は黙り、地上へと出る方法を探し始めた。
俺は何をしていた?
失ってこんなにも後悔し、絶望しているのなら何故初めから手に入れていなかった?
「……クソが………」
殴った壁の破片がぽろぽろと零れ落ちる。
地上だ。あいつを探すためにはまず地上に出なければならない。
地下街には元々光など無かったというのに、光を失った感覚は拭えなかった。何も考えられないが、あいつを見つけ出すためには、地上へ出る為の金を貯めるしかない。
自分の無力さを呪いながら、手の中のペンダントを再び握りしめた。