Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第3章 期待
思わず手を握り返し、ステラの肩に顔を填めた。
ステラは片手で俺の頭を撫でた。
俺はナイフを置き、血がついているのもお構い無しにステラを抱き寄せた。
壁と壁との隙間で抱き合った時、朝我慢しきれずに抱きしめてしまった時、これで抱きしめてしまったのは3回目だ。
「私はね、リヴァイ……怖いとかいう感情、分からなくなってしまったけど……貴方がそうじゃないことははっきりと分かる。だって、こんなにも安心するんだから」
俺は更にきつくステラを抱きしめた。
「……ステラ」
「うん?」
「俺はお前を_______」
その先の言葉を、こいつが聞いたか、いや、自分でも言ったかどうか分からなかった。行成ファーランがドアを開け、それを合図かのようにお互い物凄い勢いで離れたから。
「リヴァイ、ステラがお前の事探してて………あれ、ステラ!いたのか!」
「う、うん…ありがとうファーラン」
「……チッ」
「何だリヴァイ……まだ洗い終わってなかったのか、俺も手伝おう」
「………ああ」
「私……私、イザベル見てくる」
「ああ!ありがとうなステラ」
耳を薄く赤く染めながらステラはその部屋を出た。
2人で抱き合った時のまま、時間が止まってくれたら良かったんだと考えているとファーランが口を開いた。
「どうしたリヴァイ」
「………いや」
「?そうか」
だが、ファーランが来てくれて良かったのかもしれない。あんなのは聞かれない方が良い。
だが、考える前に自然とそう出てきてしまったことに、もともと最初から蓋などしていなかったんだと気付いた。