Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第25章 奪還
エルヴィンを後ろに乗せたまま、馬を最高速度で走らせ壁を目指す。
ヘーゼルとノワールに小規模だが隊を率いさせ、私に着いてこさせた。今、この状況下で動けるのは私だけだ。
傷はなんとかなる、血は少ない。あのままずっぷり傷に歯が刺さっていれば重症だったが、多少傷が開いた程度だ。何ともない。
いいや、何とも無くてもそうしろ!今はエルヴィンと隊を壁内に連れることが優先だ。
「ステラ、足が……」
ああ、あなたはこんな時まで私の心配を?
「かすり傷よエルヴィン!こんなの何とでもなる!」
ちら、と後ろに目をやると、エレンはしっかりいた。104期は運と腕が良いのだろう、殆どが___巨人になった子達以外はいる。
「エルヴィン、もうすぐ壁だから!もうすぐだからお願い……お願い、」
エルヴィンは生きている。それは分かるが、一刻も早くきちんと医療を受けさせねば万が一も有り得てしまう。
何に願うわけでもなく願い続け、最高速度で駆け抜けて壁に着いた。
リフトを下ろすようヘーゼルに行かせ、ノワールに104期の傍につかせた。
「ステラ……」
「…エルヴィン!」
まさかもう声を発するとは思っていなかったから、リフトを待つ間に名を呼ばれ驚いてエルヴィンを見た。
「君は……こんな俺についてきてくれるんだな」
「……エルヴィン、」
「……?」
「言ったでしょう。私は貴方の手にでも足にでもなると」