Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第23章 女型捕獲Ⅱ
思ったよりも上手くいっている。
囮のジャンがバレなきゃいいが……あれは俺に似てねえ。絶対に。
そう思いながら、エレンは馬車を降りた。
アルミンが上手く誘導し、地下都市の廃墟へとアニを連れる。
順調に行っていた……と思ったのに、アニはそこへは行きたくないと言い出した。
周囲に人が‘いない’事を指摘したアニに、アルミンはマルコの立体機動装置について聞いた。
するとアニはふっと顔を横に向け、誰かを見つけたかのようにその一点を見ながら答えた。
「なら何で……そう思った時に行動しなかったの?」
「今だって信じられないよ……でもアニだって僕を殺さなかったから…今……こんなことになっているんじゃないか…」
「あぁ……心底そう思うよ。まさかあんたにここまで追い詰められるなんてね。
あの時……何で……だろうね」
アニはその一点から目を離さずに小さく言った。
「あんたが……あの人に似てたからかな……」
(ねえ、ステラさん……)
アニの目の先にはステラがいた。はっきりと目が合っている。
「私は…貴女に此処から逃れて欲しかった……」
ステラの目が見開かれたと同時に、エレンが叫ぶ声がアニの耳に入った。
「とにかく!こっちに来い!!こっちに来るだけで証明出来ることがあるんだ、来て証明しろ!」
「もういい……不毛…もう一度ズタズタに削いでやる、女型の巨人」
ごめんなさいステラさん……私は逃げない
「私が賭けたのはここからだから」