Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第23章 女型捕獲Ⅱ
ストヘス区______
朝日が眩しい、思わず目を開ける。
(……最悪)
ここに来てから、色々な人を見てきた。
楽しいとか嬉しいとか、余り分からない感情だが、‘この壁内に住む人’は、まあ……同じ人間であるのだというくらいは分かる。
____ああ、また‘あいつ’の泣き叫ぶ声が頭に響く。
もう、こんなの……嫌、か?嫌、という感情も……もう何か分からない。
朝日を睨みつけながら服を着る。
髪を結おうとして、手を止めた。
_____「下ろさないの?」
窓から零れる強い日差しが、まるで頭の中に響くあの人の声のようで思わず顔を背ける。
_____「……邪魔なので」
「下ろした方が可愛いけど」
「………」
「アニ、私が結ってあげる」_____
はあ、とため息が零れた。手際良くいつものように髪を結う。
壁内(ここ)の人に、情を移す事は無かったはずだ。なのに何故……所属する兵団も違うような彼女との会話を何度も思い出すのか。
指輪を手に取ると、意識していないのにその人と初めて話した時の事が鮮明に思い出される。
____「……あの」
「ん?…あ、…えーと……アニ!」
「……そうですけど。あの…それ、私のです」
「…この指輪?アニのだったのね」
「すみません……大事なものなんですよ、返して貰えます?」
「勿論、「…え?」……いらないの?」
「返してくれるんですか?」
「だって君のでしょ?」