Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第22章 制御
「……ペトラがね」
「ん、」
リヴァイが私の髪を弄り続ける事をいい事に、リヴァイの目を見ずに彼越しに壁を見ながら話した。
「私のこと、大好きだったって………尊敬してたって……」
リヴァイが辛いはずなのに。私が泣く権利なんか無いのに。意思に反して涙がつたった。
リヴァイはそれを拭い、私を抱きしめた。
「だった、じゃねえだろうな……今もそうだろう。お前や俺が生きてる限りペトラ達の思いは生き続ける……」
「……うん」
「ステラ……会った時から言っているが…厳しくなったら俺に吐き出せば良い。全部受け止めてやる」
「……うん」
リヴァイの肩を涙で濡らしながら頷いた。リヴァイは優しく私の頭を撫で続けた。
「死ぬなよ」「死なないで」
暫く沈黙が続いた後、リヴァイと私の声が重なった。
大事な事を言っているのに、思わず2人とも笑ってしまった。
「貴方を残して死ねない」「お前を残して死ねるわけねぇ」
また重なった。結構大事なことだと言うのに、互いに笑っているという異様な光景だった。
お互い、相手が死んだら後を追うような愚かなことはしない。とうの昔から、相手の命を所有しているから。死んでも相手の中で生き続ける。
そしてお互いを残して死ぬ事は出来ない。相手が、自分を必要とし、所有しているから。
生きている間も、死んだ後も、相手を所有し、相手に所有される。
「好きよ」
「好きだ」
それをこの上ない幸せだと、唇を重ねた。