Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第21章 女型捕獲Ⅰ
「第57回壁外調査を開始する!前進せよ!」
壁外調査が開始した。私の班はエルヴィンのいる次列中央のすぐ隣、伝達を任されていた。
暫く進んでいると、15m級が右から顔を出した。
「ステラさん!」
「行くなノワール、私がやる!ヴァ二!」
「はい!」
ヴァ二との信頼関係は一夜で築きあげてきたものでは無い。私が名を呼んだだけで、私の馬を預かり、班を統治して先に行け、という命令だという事位は彼は理解する。
「……そのまま動かないでて、ね!」
15mあったが、のろかった。ざしゅっ、と項に刃が入り、巨人は倒れた。
「……リリィ!」
私が討伐したのを見計らってヴァ二が私の馬を離してくれたのだろう、ちょうどいいタイミングで戻ってきてくれた。
「ありがとうヴァ二!」
いいえ!と大声で返す声が聞こえた。
15mをやった後だというのに、すぐにざわっと嫌な気配がした。右側からの視線が多い。
「エルヴィン!」
「どの方向だ」
「右!右翼側!左より明らかに数が多い!」
「……進行は変えない!進め!」
そのまま巨大樹の森を目指した。東へ、東へと進んで行った。途中、右翼側が壊滅だと早馬が入った。
「ん…!私と位置を変われヘーゼル!」
「……!はい!」
何故ですか、と聞きたそうな顔をしながらも、そんな余裕の無い壁外では上官の命令を聞く方が早い。
やはり強く視線を感じた、予想通り、ここに来るまでに止めきれなかったと思われる巨人が右側から急に飛び出した。
たった今、ヘーゼルがいた所目がけて。