Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第15章 視野
エレンが部屋に招かれ、俺は彼の隣に座り、エルヴィンが握手を求めた。
ハンジが手当をして既に歯が生えていることに驚いていた時、部屋にステラが入ってきた。
それを見たエレンはすぐに立ち上がったため、眉間にしわが寄るのを止められなかった。
「エレン」
「…!ステラさん…!」
そうだ、ステラは何かとこいつを気にかけていた。
そう考えながらも、親しげに名前を呼び合う光景に自分の黒い感情が渦巻いていくことに気付いた。
「大変だったね……」
「い、いえ!…いや、大変でしたが、その…」
「無事入団できて良かったよ。明日から訓練とかでまた忙しくなる……今日はゆっくり休みなさい」
「は、はい……ありがとうございます」
「あ、そうだエレン、アルミンに会ったら私がありがとうと言っていたと伝えてくれる?」
「アルミンにですか……?」
「うん、宜しくね」
「はい!」
ステラに頼まれたということに目を輝かせるこいつを見ていると、隣にステラが座り、小声でにやりとしながら言った。
「……リヴァイ、やりすぎたんじゃない…?」
その耳元でのステラのささやかな息遣いにも反応してしまう。
演出だ、と答えた俺の中には先程までの黒い感情ではなく、いかにこの後3週間ぶりのこの愛しい人を乱すか、という考えに変わっていった。