Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第1章 始まり
再び溜息をつき髪を梳き続ける。
ふと、手が頬に触れてしまった。ぴくりとステラの瞼が動く。
その陶器のような肌に、端正な顔立ちに、つい魅入ってしまい頬から手が離せない。
_______待て、俺は何をしようとしている?
ただ匿っただけの1人の女にそんな感情を抱くなど、と何度目か分からない溜息をつき、ステラの頬をつねった。
「いっ」
声を上げて目を開けた彼女から目を逸らす。
どうもあの目は見れない。吸い込まれてしまう。1度見たら目を離せなくなってしまう。
「……寝たふりはどうかと思うぞ」
「………」
ばれてたのか、と頬を膨らませるステラに、ファーラン達はまだ戻らないだろうから先に寝ろと伝え、部屋を出る。
そもそも、今この隠れ家にはあいつと俺しかいない。
それなのになんの危機感もなく無防備に目を閉じるステラに、そこまで気を許してくれたのだという思いがあると同時に、ファーラン達にもそうなのだろうと思うと無性にイラついた。
(……クソ、)
がしがしと髪を掻き、正体の分からない感情を押し殺してすっかり冷めてしまった紅茶を一気に飲み干した。