第2章 T.01
「あ、あのぅ…」
言葉を発さずとも、その眉毛から不機嫌なことはよーく分かる。
私はどこか見覚えのある眉毛に恐る恐る声をかける。
しかし、私が話しかけたにも関わらず眉毛は返事もせずにまじまじと私を見つめた。否、見下ろした。
「黒髪……黒眼………。……お前、日本軍か?」
はあ?と心底思ったが、口には出さずに抑えこんだ。
「あ……いや、えっと、一応日本人、ですが…」
「ってことはお前…日本からのスパイだな!?」
はあ?と心底思ったが、口には出さずに抑えこんだ……ってなんだこれデジャヴってやつ?
しかし、ビシィと私に向けられた人差し指を見つめながら確信した。
金髪に軍服、綺麗な薔薇の庭に日本軍、スパイ、そして何よりもこの眉毛……!!!
こいつっ………!!
ヘタリアのイギリスだ………!!!!