第4章 T.03
「そう、よくわかったな、俺がお前をこっちに連れてきた!」
自信満々に神様はガツンと言った。
え、何、こんなあっさり分かっちゃうものなの?
まだこっちの世界に来て数日だよ?えっ、こういうのって長い時間をかけて物語の終盤とかで分かることじゃないの?
そういう覚悟1人でしちゃったよ!!ええ!何それめっちゃ恥ずかしいじゃん!!
「まあ人生色々だ。落ち込むなよ☆」
「心を読むな!神様だからってやめろ!」
あまりにも簡単に分かってしまい、唖然としていたがそろそろ冷静を取り戻さないと。
「でも何で?どうして私、連れて来られたの?」
率直に疑問を投げかける。
これが分かれば、帰る方法も分かるかもしれない。
少し残念なんて思うけど、やっぱり元の世界に戻るのが最善なんだと思う。
「そうだなぁ。これがまた長い話になるんだが」
「そんな面倒くさい理由があるのか…」
「まあ聞けって」
長い話は面倒くさいけど、やっぱり理由は気になる。
私は大人しく、神様の話に耳を傾けた。
「俺は神様っつたけど、この世界には神様はたくさんいる。俺1人じゃねぇんだよ。つか1人でこんな世界を仕切れる訳ねぇだろ」
「そうだったんだ…まあ、日本には八百万の神とかあるけどね」
「そういうもんだな。んで、俺は神様の中でも地位は高くない。人間でいう学生くらいの地位だな」
「うわ、低っ」
「よし黙れ、話さねぇぞ」
「さーせん!」
神様との会話にも慣れてきた気がする。
話はまだ続きそうだ。
うーん……大変だなぁ…。