第4章 T.03
神様と語る彼は、姿が見えない。
けれども感覚的にそこに居ると分かる。
強いて言うなら…あれだ。
鋼の錬○術師にでてくる真○くんって感じだ。
真っ白な何もない空間に、(自称)神様と私の2人きり。
ううん?自称神様ってどっかで聞いたな?
何かのアニメだったよな…そうだよ!確かノラガ…
「ちょいちょいちょいちょいちょい!?なんで俺そっちのけで1人考えこんじゃう!?俺いるんだからさ!質問とかあるっしょ普通!アニメとか後でいいじゃん!ねえ!!!!!」
「鋭いツッコミだな」
「なに冷静に解説してんの!?」
顔があったならすごい形相であろう勢いで、私に突っ込んだ。
すごいテンションだ。私が言うことでもないけど。
とりあえず話かけるべきなのかな?
「ええっと…神様?」
「なんだ?何でも聞けー、分かることなら答えてやる!」
知らないことあるのか…。なんて人間みたいなことを言う神様なんだ、なんて思ったけれど面倒臭いので口には出さない。
「ここって、どこなんですか?」
そう。
第一の疑問にこれだ。
ここどこ?
さっき言ったとおり、ここは真っ白で何もない空間。
先も後ろもないし、壁も天井もない。ひたすら真っ白で、色があるのなんて私だけだ。
「ここか?ここは…そうだな、分かりやすくいえば夢みたいなもんだな」
「夢?」
「そうだ。寝てるときにみるやつだ」
夢なのか…。
なら、神様とか真っ白な空間とかも信じられるっていうか仕方ないっていうか。
「ここは夢なのね、分かった。あともう一つ質問があるんだけど」
「んー?なーに?」
「いやぁ…神様が関係してるか分んないんですけど…。」
何秒か口をもごもごさせてから、躊躇いながら口を開く。
「こっちの世界に私を連れてきたのって、神様…だったりする?」
上目でそーっと神様を見ながら言った。
「うんっそうだけど何か?」
「…まじで?ってか軽くね?」