第4章 T.03
『ただいま』
1人の少女が家に帰ってきた。
しかし家には誰もいない。
『……………』
スーパーで買ってきたものを冷蔵庫に入れながらテーブルを見ると、そこには貯金手帳があった。
少女は無言でそれを手にすると、中身を開いて数字を確認する。
決して多くも少なくもないその数字。
そこには、新しく振り込まれた履歴が残っている。
ああそうか。
この子、私だ…。
あれは私の生活費で、それでーーー
「よう、なにお前自分見てんの?楽しい?……ナルシスト的な?」
「っわ!!…ってか、はあ!?」
見知らぬ人の声により、さっきの光景はさっと消えてしまう。
しかも、わけのわからないことをいきなり言い出した。なんだこいつ。
んん?アレ、こいつどこかで見た……。
「久しぶりだな、元気してるか?」
「あんた…」
「えっ、何、俺の名前覚えてないの?それすっげー悲しいわー!」
そうだ、この軽い喋り方。
どこかで会ったときあると思ったんだ!
「神様!!??」
「ぴんぽーん!」