第4章 T.03
バレてしまったことも当てられたこともびっくりしたが、一番びっくりしたのはイギリスが『私のいた異世界では国の擬人化があったんです!』と、私っぽく裏声でしゃべったことだなんて口が裂けても言えない。
「な、なんでわかったんですか!?」
「お前の頭はだいぶおめでたいらしいからな。こんくらい平気で言うだろうな、と思ったんだよ」
おめでたいとはなんだ失礼だなっ!
しかしあながち間違いでもない。これぞ悲しい現実。
その通りなんですよ、と話を続け朝食を食べ終わる頃にはヘタリアの話も話し終えていた。
「ってことはお前ははじめっから俺の事を知ってたってわけだな」
「そうなるかな…い、いや!言わなかったのはね!?信じてもらえないと思ってたし、説明が面倒くs…大変だし!」
「いや、本音だだ漏れだから!お前嘘つくの下手だなマジで」
「おーい、由真、速くしねぇと置いてくぞ」
玄関から呼ぶ声に返事をしながら服を整え直す。
今から私の生活用品を買いに行く、って言っても主に必要なものは洋服だ。
とりあえず今日は、もともと着ていた服をよく払い着ている。
「ごめん、お待たせ。よし!じゃあ行こーうお!?」
玄関のドアに手を掛けて元気に飛び出そうとすると、急に頭に手が降ってきた。
「ただでさえ服で変なのに、黒髪が目立ちすぎなんだよ。これでもかぶっとけ」
急に降ってきたのは手だけではなく帽子だった。ぎゅっと帽子をかぶせられる。
まあ確かにこの時代、この場所。黒髪は目立つのかも。
イギリスの言ったことを素直に受け入れ、乱暴にかぶせられた帽子を綺麗にかぶり直した。