第3章 T.02
「さっきのが本当のお前なんだな?」
「…はい?」
見つめられたと思ったら、なんだか良くわからないことを聞かれ、つい気持ちをそのままに口に出してしまった。
「今のお前と、さっきのお前だいぶ違うなーと思って。よく聞いてみたら、お前たまに敬語とか忘れてるときもあったし、さっきのが素のお前なんだろ?」
そうだね。さっきのは思いっきり素がでましたよ。しっかし敬語忘れてた時とかあったのか。自分でも全然気づかなかったな。
「はあ…まあ、素でしたよ?…それがなにか…」
「さっきのお前見てから、敬語使ってるお前見るとすげー違和感なんだよな。ってことでお前これから敬語無しな」
「え!?ちょ、それなんで…」
いきなりのイギリスの提案にびっくりした。
え?敬語無し?いや、そっちの方が楽っちゃあ楽だけど、ええ!?
「ほら、もう敬語じゃないだろ?」
うわ、本当だ。
はっとして口を押さえる。
「ってことだ。まったくなんでいつも変なところで遠慮するんだよ、お前らは…」
なんて皮肉をぶつぶつとイギリスが言っているのをよそに、少し別のことを考えていた。
敬語ってやっぱり距離感が生じちゃうのかなー…、日本じゃ普通だけど、やっぱ国民性ってやつかな?…っていうか、イギリスさっき“お前ら”って言ったよね?らってどういうことなんだろう。
なんて事を、もんもん考えていたがやっぱり敬語は使わないことに決めた!
「じゃ!イギリスよろしくねっ!」
「切り替え速っ!?」