第3章 T.02
「めっちゃくちゃ美味しかったですよハイ!!」
「いやいやいやいやいや!お前さっきすげえでかい声で本音言ってたから!!敬語抜けてたし!!それはこじつけすぎだから!!」
「なにを言ってるんですか、なんならもももう一口食べべましょうかかかかかk」
「めっちゃ震えてるから!!めっちゃガタガタしてんじゃねえか!!俺が悪かったから!!」
「…………すいません、お手洗いってどちらでしたっけ?」
「うわあああああああああ吐くなあああああ!!!」
「………………」
「………………」
あれから、イギリスにお手洗いの場所を教えてもらい、……察してください。
とりあえずまた元のテーブルに向かい合って座ったのだが、お互い無言。冷めきってしまった晩御飯をどうしようもなく見つめていた。
「……いままでで一番騒がしい夕飯になったわ…」
全力であきれたようにイギリスが呟いた。
「私もですよ。……まあ大概私のせいでしたけどね」
事実である。
でもどっちにしろイギリスの料理ってネタで事件が起こらないわけがない…とも少し思うんだけどね!
「……」
「…なんですか?」
じーっと不思議そうな顔で見つめられる。
ああ、そういえば今日、別のことで見つめられた気がする。あの時はもっと疑いのある目だった。
まだ一日も経ってないのに。
イギリスの優しさを、意外な場所でじわりと感じた。