第2章 T.01
「………えっ」
「だーかーらー!何度も言わせんな!疑ってねえって言ってんだよ!」
「ええええ!だ、駄目ですよそんなすぐに人を受け入れたら!」
「あーっもーっ!なんなんだよお前は!なんでそこでヘソ曲げるんだよ!疑ってほしいのかばあ!!」
本物の『ばかあ』を見れて思わず笑ってしまったら、イギリスもふんっ、と軽く鼻で笑っていた。
本物の日本軍がこんな下手な嘘をついてるとは思わない、と皮肉を言われたが、出会ってから初めて見た怒ってないイギリスの顔が結構素敵だったのであまり気にならなかった。
「それから、足が治るまでだ」
「何がですか?」
相変わらず口は『への字』のままだったけど、目は今までの厳しいものじゃない。
「……俺んちにいたらいい。どうせいる場所ないんだろ」
「……はあ!?……っいってええぇぇ…!!」
「お前……馬鹿だろ……」
俺んちにいたらいい、と言うイギリスの言葉は少しも予想していなかった発言だったので、目ん玉が飛び出るんじゃないかと思ったくらい驚いた。
ついでに、驚いて自然と立ってしまった。
……右足だけに…体重をかけていればよかったのに……。
まあ、いつも通りに立とうとしてしまい、左足に痛みが走った。
そんな意味不明な行動をしている私を見てイギリスは馬鹿と呟いた。
しょうがないじゃん…!!
動揺してるんですよよよよよよ……!!!!