第2章 T.01
「そ…そんな…いいですいいです!申し訳ない!」
「…断るのは自由だが、そのあとどうするつもりだ?」
「ええと……や、宿…とか…?」
「金は?」
「か、金は……えっと…お金…」
私がもぞもぞしているうちに、イギリスはまた大きくため息をついた。今日何回目だ?……いや
ため息させてんの私だけどさ!
「ないんだろ?…ったく後先考えずに言うからだ」
くっそ!図星過ぎて何も言えなかった…。私って考えてることとか分かりやすいのかなあ。
「じゃあ……お世話になります…」
「初めっから素直にそう言えばいいんだよ」
そう言って、イギリスはソファーから立つと私の前に立ち頭を撫でた。
「俺はイギリス。お前は?」
「私は佐川 由真です。あっ、由真が名前です、よろしくお願いします!」
「由真か、分かった」
あ、
イギリスが笑った。
なんだこいつ。初めの警戒心バリバリだった頃はなんだったんだよ。
ただ、
すごく笑顔が素敵だった。
頭撫でられたの………いつ以来だろう。
そんなことはまあいいか。
とにかく今の私はすごく幸せな気持ちでいっぱいだ。