第2章 T.01
「あれか、あの“カミカクシ”?とかいうやつ」
「神隠し……?」
まさか。イギリス人からそんなジャパニーズな言葉が出てくるなんてびっくりした。
しかし、神隠しとは……。アリなのか?それ。
「…前に、日本って奴と少し関わったことがあってさ。そん時に聞いた話でそんな聞いたなーと思って」
「日本…さん、ですか」
少し気まずそうに言うイギリスは、なんだか…こう、見ていたくない感じだった。
「でも神隠しって………時代も越えるものなのかな…」
「は?」
「えっ」
イギリスが、ぼそりと呟いたつぶやきにやたらと反応した。
えっ?えっ?何か悪いこと言った?私。
「は?時代?」
「時代ですが……」
「お前…いつの時代から来たんだよ」
ソファーに座ったまま上半身を乗り出して問い詰める。
「ええっと……今が何年かわかんないんですけど……えー……2014…年、ですかね」