第2章 T.01
「あー、こりゃ捻ってるな」
「わかるんですか」
「こんくらいな」
私の左足を見て、イギリスはそう言った。
ほえー。怪我とか全然しないタイプだったからびっくりだ。
私がそんなのん気なことを考えてる間に、イギリスは私に背を向けてうんうん悩んでいた。
敵軍が……いやでも紳士………スパイ……でも怪我……とか聞こえた気がする。ははは。
のんびりと周りにある薔薇とか、その他のお花とかを眺めているとバッとイギリスがいきなりこちらを向いた。
「な、なんですか…」
「お前を認めた訳じゃないんだからな!俺とお前は敵同士だ!ただ!俺は紳士だからな!怪我をしてる淑女を放っていく訳にはいかないんだ!紳士だからな!いいか、勘違いするなよ!?これはお前の為じゃなくて俺の為なんだからな!!」
もしも漫画だったら、効果線がばんばんつくような勢いでイギリスはセリフを一口で言い切った。
そして言い切った今、肩を上下には動かし、ぜーはーと息を切らしながらこちらを見つめている。
「は、はぁ………」
どうしていいのか分からず、よくわからない声が出た。
いや、ほら、みんなも経験してみたら分かるよ!こんなベタベタなツンデレを見せつけられても困るって言いますか、うん。