第14章 休養日
今日は雲一つない晴天。休養日日和。待合せは兵団門前。時間は朝6時。早すぎる時間だけど、何故かリヴァイはこの時間指定してきた。
「早過ぎるよ、開いてるの競り場市場くらいだよ」
「うるせえよ、俺は休養日を存分に楽しむと決めた」
何だか気合い入ってるなぁ。まあ、市場も賑やかだし、いっか。
兵団本部から街までは少し離れているから、街に馬で行きたい旨それぞれの班長に許可を取った。
リヴァイの馬は青毛、気性が荒くなかなか乗り手が決まらなかったと聞いた事がある。
リヴァイと相性が良かったのか従順で脚も早い。
私の相棒は穏やかな栗毛のハーミル。この2頭に街までの道程をお願いする。
「おい、街までどの位かかる」
「大体30分くらい」
「そうか」
騎乗中はなるべく喋らない方が良い。うっかり怪我でもしたらシャレにならない。
しばらくすると街に到着し馬を預ける。
市場帰りのおじさんやおばさん達が競り落とした戦果を持ちつつ、それぞれの家やお店へと散らばっていく。
「競り市には間に合わなかったね」
「競りに参加する訳でもねえから構わん」
「ん?ん?なら、どうして早めの時間なの?」
「朝の街を知りたかった」
そっか、だから朝早く街に着きたかったんだ。
街の中を案内しながら雰囲気も感じて欲しい。
焼きたてパンのお店、八百屋さん、早くから開いてるお店や街の中を案内していく。
ふと横を見ると1件のお店の前でリヴァイは立ち止まっている。
まだ開店していないお店は掃除や洗剤を扱うお店。
ウィンドウには”最新!よく落ちる!”と商品紹介が窓に貼られている。
興味あるのかな?営業時間はまだまだ。
朝ご飯抜きできたからお腹ペコペコ。
近くの公園で食べて一息しようと提案する。
「営業時間までここで待つ」
「えぇっ!?」この人何を言ってるの?!
「手始めはこっからだ」
どうしてもこのお店に1番に入りたいらしい。
まあ、今日はリヴァイに付き合うつもりだし、一緒に待ちたい、、
だけど空腹は辛い。
お行儀はかなり悪いけど、お店の前でそそくさと2人でサンドイッチと携帯用ボトルに入れた紅茶をお腹に詰めた。