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君がそこにいるならば【進撃の巨人/リヴァイ】

第13章 ヴァイオリン




一頻り泣いた後、自分がどういう状態だったのかが、分かったらしく今度は言い訳し始めた。

「事務方だって慣れれば問題ないし、私は前線に立つのを諦めてないから!」

「じゃ、泣く必要ねえな」

「そ、それはいきなりの話だったから、、ちょっとだけ驚いてただけって言うか、、」

他にもモニョモニョ言ってるが、まあ元気になったのは良かった。

「異動だろうが同じ兵団だ。これまでと変わらずにいりゃいいだろが」

「そうだけど、」

まだ何かあんのかよ。

「慣れるまでは来れないかもしれないし、、」

「構わねえよ。来れる時は俺に知らせるくらいできるだろ」

「…いいの?」

「ああ、それで良い。で、異動はいつからだ?」

「聞いてない」

「あ?」

肝心なこと聞いてねえで泣いてやがったのか、こいつは。

「もしかしたら明日からかもだし、、でも壁外調査前には異動になると思う」

辞令もまだ出てねえのに憶測だけでよくあそこまで落ち込めるもんだ。

「俺は構わねえ、と言ってる」

「寂しいとか残念だ。とかないの……」

おいおいおい、勘弁してくれ。
また泣きそうになるティアナにイラッとしてきた。

「もう会えねえ訳でも、遠くへ行くわけでもねえだろう、ピーピー泣くな」

「励ましてるの?呆れてるの?」

「両方だ。文句あるか」

「ない、です」

「なら、さっさとヴァイオリン構えろ。時間は消灯までだろうが」

理解したのかどうなのかは知らんがヴァイオリンを構えると顔つきがさっきまでと変わって弾き始める。
今夜はしんみりとした曲ばかりが森に響いた。



いつまでも暗い顔をしてるティアナは俺の乏しい言葉では慰めるにも限度があるらしい。
他の人間なら鬱陶しいと放っておくが、ティアナにはそんな真似はしたくない。

「取り敢えず、だ。もし明日からだとしてもなんだろうと気を落とすんじゃねえ」

「うん、わかった」

「何かありゃ俺を呼べ」

「??」

「一人で思い詰めるなつってんだ」

「ありがとうリヴァイ」

二パッと笑う顔を見てやっと落ち着いた。と安心のため息が漏れそうになるがここでため息なんぞしたらまたウジウジしちまう。

いつも通り送っていき、いつものとこで別れる。



明日は揃いの休養日だ。


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