第2章 作戦開始
エルヴィンやミケ達は地下街で息を潜めていた。
もうすぐターゲットが通過する予定だ。
何人か、憲兵団から派遣されて居るもののエルヴィン達は鼻から頭数に入れていない。
闇商人の荷が予想通りに襲われた。
エルヴィンはミケら精鋭班に合図を送る。
ターゲットは三人。
多勢に無勢のはずだが、この追跡から早々に憲兵は脱落していく。
情けない声には構わずターゲットを見失わないようガスは最小限に抑えつつスピードをあげる。
ここは彼等のホームグラウンドだ。油断は出来ない。
柱を利用して回り込みながら、こちらを見る男が恐らくリーダーだ。
(さて、お手並み拝見といくか。)
知らず知らずのうちにエルヴィンの口角があがる。
三叉に分かれた男女を精鋭兵は素早く追いかける。
リーダーらしき人物に比べると安定していない。
直に捉えるだろう。
ミケと共に追っている人物が一番厄介だ。
逃がさないようミケと二手に分かれ、回り込む。
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「チッ 」
リヴァイは振り切れない調査兵へ舌打ちする。
予定通りだ。だが、あの碧眼の野郎は楽しんでやがる。
ガスを吹かし、廃墟に飛び込む。
追っ手は見えない。
「うまく撒い、」
その瞬間に大柄な男が上からブレードで切り込んできた。
「!」
咄嗟に愛用のナイフでブレードを防ぐ。
金属の擦れる耳障りな音が響く。
「クッ!」
(もう一人居たはずだ)
大男を躱したところで碧眼の男が現れた。
ナイフで応戦するも憲兵と全く違う
「チッ!」
そう簡単に捕まってやる気はない。
迎え撃つも後ろ手に縛られているファーラン達を見てスっと冷静になった。
カランカラン。ナイフを手放す。
「状況判断が早くて助かる。」
リヴァイ自身も後ろ手に縛られ、膝まづかされ尋問される。
「立体機動をどこで習った、訓練兵団にいたのか?」
答える気はないと鋭い視線を向ける。
「グッ、」
泥水に頭から押さえ込まれる。
イザベルとファーランが見かねて質問に答える。
「名前は?」
「………リヴァイだ」
その後エルヴィンと名乗った男は冷たく見下ろし調査兵団への加入を迫る。
傲慢にも選択肢を出している様で出してはいない。
「コイツは、俺が!」屈辱の中でリヴァイは誓った。