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君がそこにいるならば【進撃の巨人/リヴァイ】

第44章 新しい仕事と出会いたくない出会い



「本日配属になりました!ティアナ・ディーツです。よろしくお願いします!!」

インクと古い紙の匂いが微かにする部署で自己紹介をする。
目の前には若干姿勢の悪い先輩方。形ばかりの拍手がちらほらと聞こえ、直属上司からこれから見習いとして仕事の基本を教える先輩に引き合わされる。

「レイモンド、今日からお前とカレンで面倒みるティアナ・ディーツだ。」

「ああ。そう」

「よろしくお願いします」

「?カレンはどうした」

「病欠」

「聞いてないぞ」

「今、言った」

なんだろう。この嚙み合わなさ。自慢にもならないけど今までいくつかの部署や班を渡ってきたけど緊張感も命令系統もいまいちな・・いや、入ったばかりの身でわかった気になるのはいけない。

レイモンドさんは早速用意された席について簡単に担当する仕事の内容を説明してくれた。

「渡された文書を指示されたとこに届ける。言われたことをする。以上」

一言で終わったけど、これでいいの?

困惑しているとレイモンドさんは机が並んでいる横を通り、
一番端っこの書類が雑然と置かれている机の椅子を引いた。

「ここが君の席。今日はこの書類を古い順に並べてほしい。聞きたいことがあれば僕のところに来て、ちなみに僕はあっちにいるから。じゃ」

指さしたレイモンドさんの席は離れており、むやみやたらに行くのは憚れる気がする。
でも書類を並べるだけだから。難しい事は要求されてないから。椅子には座らずに取り合えず目の前の山を切り崩していこう。

取り合えず年代ごとに分けて、それから日付で、内容ごとに仕分けて……
自分の中で手順を決めて取り掛かるけど、未整理の書類は山のように積み重なっていて、机の下にもいくつか、木箱に入っている。
と、いうことはまず、この木箱含めた書類を全て出したほうがいいのか?しかし、広げるスペースはない。それに手を広げすぎると何が何やらわからなくなる気もする。机に積まれているものを年代別、内容ごとに分けてから木箱は開けよう。



「あれぇ。まだ残ってたの?」

間延びしたレイモンドさんの声で作業の手を止めると事務所には誰もいない。

どうやら夢中になっているうちに業務時間は過ぎていたようだ。

「ほっとこうと思ったんだけど、明日までいそうだし、鍵かけれないからそろそろ終わりにしたら」

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