第41章 壁外調査と捕獲作戦
やっと寝付いたティアナを確認し俺も横になっていたベッドで睡眠をとるかと目を閉じる。
そもそも睡眠欲はそんなにないし、深い眠りは年に何回か数える程しかないが十分だ。
地下にいた頃よりはしっかり寝ている。
うつらうつらとしているとティアナの寝息が乱れている。
「う、止め…おねが」
巨人に襲われた時を思い出しているのだろうか。あまりにも魘されるようなら、かわいそうだが起こしたほうがいいかも知れない。
側の明かりをつけると眉を歪めたティアナがいる。
「ディア、ナ、な…」
ディアナ?ティアナからそんな名前は聞いたことはない。
「ディート、出して!」
自分の寝言でバッと起きてどこにいるのか、わかっていない様子だ。明らかにおかしい。
すぐにティアナに寄り添い、「どうした?悪い夢でもみたのか」と問うと下手な笑顔で「なんか夢見てたんだけど中身忘れちゃった」
直感で嘘だ。と感じた。
飛び起きる程の悪夢。きっと彼女の心臓は早鐘を打つように脈打っている。
素知らぬ振りで、まだ早い。寝てろと言うも夢が怖いのか、うん、そうだね、と言いつつも俺に背を向けている。
それが気に食わなくて明かりを消してティアナのベッドへ潜り込む。
確かな温もりに安心する。
「え、ちょっ、リヴァイのベッドは隣!」
「いいから、こうさせろ」
横向きに寝ているティアナの体に腕を回して密着する。
「んー、狭くない?」
「狭くない」
「ハーミット班長がベッド用意してくれたのに」
「そんなこと言うな。寂しいだろうが」
額をティアナの肩にグリグリと押し付ける。
「はは、どうしたの?子供みたいだよ」
「うるさい。そのままでいろ」
「はーい」
さっきまでの強ばった空気が解けていく。
「おやすみ」
ティアナの頭にそっとキスをする。
どんな夢を見てたのか、ディアナ、ディートとは誰なのか。
ティアナにとってどんな人物なのか、知りたい。
でも誰にでも話したくない過去のひとつ、ふたつはある。
無理に暴いてそれこそ再度傷つけるのはしたくない。
のちに俺はそう判断した自分を殴りたくなった。ちゃんと聞くべきだった。そうすればもっと違う行動ができた。