第40章 ※特別休暇※
話し込んでた間に紅茶は冷めてしまい渋さで後味が悪くなった。
もう一度淹れなおそうとカップを持って淹れなおす。
「リヴァイの紅茶って美味しい」
「誰が淹れてると思ってる。これでも茶を淹れるのは得意だ」
先程とは打って変わって和やかな雰囲気のまま軽いキスをすると止まらなくなって角度を変えては何度もキスをする。
柔らかく暖かな口内を楽しんでいるといつも無粋な鐘の音が響く。
惚れてる女の潤んだ目と吐息を聞いても我慢した俺を誰でもいいから褒めてほしい。
「鐘、なっちまったな」
「うん」
お互い欲しているのにお預けを強いる規律が忌々しい。
だがティアナの立場を悪くしたくはない。
渋々と部屋を出て、女子棟の近くまで送っておやすみと言葉を交わしてそれぞれの部屋に戻った。
仮眠をとってもまだ朝早く静かな廊下を進んで目的の部屋のドアを開け放す。
あいつはいつ寝てるのかは知らねぇがこの時間でも仕事をしているはずだ。
「リヴァイ、ノックくらいしてくれ、あとドアはきちんと閉めてくれないか」
「あぁ、すまねえな。急ぎの用で忘れちまった」
「お前がそんな態度で来るのはティアナの件だろう」
「わかってんなら話は早いな。あいつにやたらとちょっかいだして近づくんじゃねえよ。胸糞悪ぃ。」
「世間話をしただけで何もしてないぞ」
「それでもだ。いいか。お願いじゃねぇ。ティアナに上官以上に近づくなら俺にも考えがある」
「嫉妬は醜いぞ。リヴァイ」
「なんとでも言え。警告はしたからな」
踵を返して出ていこうとするとハンジが興奮した様子でやってきた。
厄介なことになる前に出ていこうと通り過ぎようとするが「あれ、取り込み中なの」と空気を読まない発言をする。構わず出ていこうとすると「待って待って、リヴァイにも協力してほしいんだ」
朝からハンジの高すぎるテンションは疲れる。
「あのさ、次の壁外なんだけど、巨人を捕獲して」
「ハンジ、それは何度も却下したはずだ」
「だから〜、要は確実性があるならいいだろ。昨日、捕獲作戦にうってつけの案が浮かんだんだよ」
こいつが入ってきた途端に異臭が漂う。何日風呂に入ってねぇんだ。汚ねえな。
「捕獲には是非リヴァイの協力が必要なんだよー」
本人は真剣だが俺には嫌な予感しかしねぇ。