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君がそこにいるならば【進撃の巨人/リヴァイ】

第40章 ※特別休暇※



休暇初日、別々に兵団から出発して待ち合わせ場所に到着した。
リヴァイはあとから来る予定で宿は駐屯兵団との会議のついでといってリヴァイが手配してくれた。
「先に行ってろ」と言われた宿は私の半月分の給料で一泊できるかどうかで手頃な宿にしようという私の言い分は一蹴された。食い下がろうと口を開きかけたがリヴァイの『初めての旅行だろ、少しは良いところにしたい』の一言で決まった。

「おい」
ノックもなしに突然開いたドアにハッとして振り向くとリヴァイだった。嬉しくて笑顔の自分とは正反対に怖い顔でズンズンと近づいてくる。

「早かったね、リ」

「早かったね、じゃねえよ。鍵もかけず不用心にも程があるだろうが。もし俺じゃなかったらどうすんだ。いつも鍵はちゃんと閉めろと言ってたが聞いてなかったのか」

目の前に来たリヴァイは早口でとても怒っている。せっかくの休暇なのに心配かけてしまった。

「ごめんなさい」

素直に謝るとグイっと引き寄せられ、頭上からため息が聞こえる。

「何かあってからじゃ遅いんだ。気をつけろ」

頷くともう一度ため息ついて、リヴァイの雰囲気が柔らかくなった。

「腹は減ってねえか?」

「ちょっと」

「行くぞ」

手を引かれ街に出ると夕食には早い時間帯なのに人で賑わっているおしゃれなレストラン。

「なんだか意外」

「何がだ」

「人が多いところは好きじゃなさそうだなぁーって思ってたから」

「別に嫌いじゃない。それより何にするんだ」

「ん~。どれもおいしそう。リンダーロウラーデンでしょ、アイスバイン、シュニッツェルにデザートも食べたいし」

「まて、全部頼めと言いたいが二人でも食えねえぞ」

食べたいものを並べていると呆れたような顔のリヴァイ。
しまった。食い意地が過ぎると絶対思われた。
途端に恥ずかしくなって「あー、えーっと迷っているだけで全部じゃなくて」と言い訳していると片手を頬に当ててリヴァイはクツクツと喉の奥で笑っている。

「ここに来るのは最後じゃない。今はお前の一番好きなもの頼んで、また来た時に別のもんにすりゃいい」

次、今度。調査兵は次を約束しない。だけどリヴァイの言葉はすんなり胸に収まった。

「じゃ、これにする」

さっきまでの迷いはどこかに消えてあっさりと注文すると、ゆっくりと二人で食事を楽しんだ。

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