第39章 ご褒美?
夜会に気の張り詰めた報告会議。
クタクタな中でのお誘いは気晴らしにいいな。と隣のナナバさんに心の中で感謝して見つめると「どうした?」と爽やかな笑顔を向けられた。
気のせいか街で通り過ぎる女の子達の視線が痛い。本人は気にしてないようだけど中性的なナナバさんは女性、男性問わず人気があり隣に並ぶと注目される。
「お買い物って何かなー。と思って」
「内緒だよ」
耳元でコソリと呟かれると見慣れていてもドキッとしてしまう。それを見てくすくす笑うナナバさんは意地悪だと言いたい。
街の中心部にはいろいろなお店があって見ているだけでも楽しい。中心部なだけあって人混みもそれなりで、ボーとしていると迷子になりそう。
流石にこの年で迷子は恥ずかしい。
「ここら辺かなぁ」
ナナバさんが立ち止まったのは女性が好みそうなお店が立ち並ぶエリア。言っては失礼だけど、私服もシンプルで女性が好きそうなデザインの服やアクセサリーをしているナナバさんはちょっと想像しにくい(見てみたいけど)
「まずはここに入ろう」
後について入ると服やアクセサリー、小物を取り扱っているお店だ。
まずは、とでもいうように洋服のコーナーへ向かうとこれでもない、あれでもないと真剣に選んでいる。
選ぶのに少し疲れたのか、こちらを見て「ねぇ、ティアナならこっちとこれ、どっちが好み?」
私の好みが参考になるのだろうか??
「う~ん。私ですか?」
「そう。どっちがいい?それとも両方?」
「…着る人にもよるかと思いますよ?好みもありますし」
「わかった。じゃ、両方だ。」
はい??どういうことなんだろう。無難な意見をしただけで両方?
そもそもナナバさんのじゃないの?
頭のなかで会議が始まったけど、会計に向かったナナバさんはすぐに戻ってきてさっきの服が入ってるはずの袋を手にしている。
「今度はこっちね」
訳が分からないまま、次は雑貨コーナー。
瓶入りのアロマキャンドルや、香油、その他いろいろ…
以外と(失礼だけど)こういうものが好きなんだろうか。確かにナナバさんはいつも柑橘系のいい香りがするけど。
それともプレゼントかなんかだろうか。
「これ、どうかな?」
そういいながらも手に取ってはポイポイと籠の中に入れていく。
あれ、柑橘系だけじゃなくて爽やかな石鹸の香りや爽やかなグリーン系と纏まりがない。
