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君がそこにいるならば【進撃の巨人/リヴァイ】

第36章 変化※



「ヒャッホー!いいね、いいね!ねぇ、リヴァイの夜の顔ってどうなの?ねぇ、ねぇ。」

唐突に始まった猥談から逃げるように後退りし、「すみません!これからやる事があるので!」逃げると後ろから残念そうに「えー!待ってよーティアナ!!」ハンジの呼び止める声が聞こえたが、そこは聞かなかった事にして一目散に執務室から勢い良く出ていった。

「あーあ。可愛い部下の恋バナ聞きたかったのになぁ。」
椅子の背もたれに凭れて頭の後ろで両手を組みながらボヤいていると扉をノックされ「どうぞ〜」と気の抜けた返事をするとナナバが怪訝な表情で「どうした?」と訊ねるがハンジが「なんでもないよー。」と答えるとドサッとデスクに書類を乗せてニッコリ笑った。


全力で逃げたティアナは廊下でゼェゼェと息を切らしていた。

「どうしよう……」

しばらくはハンジがまたこの話をしないよう心から願った。


それからできるだけハンジを避けていると「ごめんね〜!もう言わないから普段通りにして!お願い!ねっ!」パンっと両手を合わせて拝まれようやくティアナは人心地をついた。


異変はその翌日からだった。

ハンジとモブリット、ミケとナナバ達は傍目にも多い書類と格闘している。
いつもなら書類仕事は班のメンバーに押し付ける事も少なくないハンジも珍しくデスクワークに勤しみ、ティアナらは他の班と合流して訓練するよう指示された。

それに何故かリヴァイも忙しそうで夜も会えないことが多くなった。
日に日に膨らむ不安を感じながらティアナは一人で歌い今夜は来るだろうか、と期待と来ないことを訝しんでいた。


しばらくすると兵団内ではエルヴィンが近く団長に就任するかもしれないと噂が広がり始め、そうだとすると調査兵団初の団長存命での就任になるかもと憶測が飛び交っている。

ティアナはエルヴィンが団長になった場合、今度こそ団長命令で退団になるのではと危惧し次第に歌わずただリヴァイを待ち、眠れない夜を過ごしていた。



リヴァイは兵士長という新たな役職につくことになってからティアナに会って話す余裕もないほどに中央への提出、認可申請の書類に追われ、兵士長の役割をハンジ達と話し合いつつ同時にエルヴィンの就任式、任命式に備えていた。

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