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君がそこにいるならば【進撃の巨人/リヴァイ】

第36章 変化※



はぁ…はぁ…と荒い息を吐き、ゴロリと横に倒れ込む。

女を抱いたのは初めてじゃない。それなりに経験はある。だけど、満たされたのは初めてだった。
倦怠感が心地よくてティアナを抱き寄せる。

彼女もまた初めての感覚、今は小さな破瓜の痛みよりもリヴァイの体温に安心と充実感を覚えていた。

「体は大丈夫か?」

「痛くないって言ったらウソだけど、それよりもなんだろ、嬉しい…って言ったら変かな?」

コツンと額を合わせ軽いキスを交わした。

二人は宝物を抱き締めるように体温を交換した。

息遣いが落ち着き、ずっと余韻に浸っていたかった。

ゴーンゴーン。就寝前の点呼10分間前の鐘が鳴り、渋々とリヴァイはティアナを少し離した。
離れた分だけ彼女の温かさも離れ寂しくなるが、点呼に間に合わなければティアナがまた咎められる。

渋々とティアナの脱がした服を拾い集め、起き上がったティアナに渡す。
その意味を理解しているティアナも恥ずかしそうに下着と服を身につけ、リヴァイもそうする。

「………」

無言の空気にリヴァイは、もう一度ベッドに押し倒したくなるのを堪え、「服、着終わったか?」となるべく優しく訊ねる。

「うん、」
言葉少なげな二人は入ってきた窓から先にリヴァイが出て、 ティアナに手を貸す。
腰に痛みを感じたのか少し顔を顰めるティアナが窓から降りると横抱きに抱き抱える。

「一人で歩けるよ。」

「腰、痛むだろ。暴れるな。」

人目を避けて、ティアナの部屋まで連れていく。

「離れたくねえな…」部屋に入ったティアナの手にスリスリと頬を付けて彼にしては珍しく甘えてくる。

「うん…」

そう言う二人は寂しさを耐えてリヴァイが「また、な。」と手の甲にキスを落とすとティアナはリヴァイの頬を撫ぜた。

二人の初めての夜は点呼という無粋な慣習に急かされ別れざるを得なかった。

ティアナは遠ざかるリヴァイの背中を見送り姿が見えなくなると言われた通りに窓に鍵をかけ、カーテンを閉めた。

腰の痛みが、夢じゃないと教えてくれる。自分の体なのにそうじゃない気がする。

点呼の声が聞こえてティアナはいつも通りの点呼を済ませてベッドにダイブしてリヴァイを瞳を手の温かさを思い出していた。

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