• テキストサイズ

君がそこにいるならば【進撃の巨人/リヴァイ】

第35章 845



リヴァイは片手で顔を覆って、その隙間から鋭い視線をティアナに向ける。

「おい、俺が我慢してるのが馬鹿みてえじゃねえか。」

「我慢?」

「忘れているのかも知らんが俺は男でお前からお預けされてんだぞ。」

手を下ろすと急に熱っぽい視線をティアナに絡みつかせる。

何を言えばいいのか戸惑っているとリヴァイは普段よりも低い声で口元をティアナの耳に近づけて「俺は我慢強くねえ、って言ったろ。」ティアナの耳にチュッと音をたて、甘噛みを繰り返す。

リヴァイの息遣いがティアナにかかり、熱が高まる。

ドキドキと鼓動が強く速まる。
このまま流されたらきっと……
「抵抗しねえのか?」
抵抗なんて出来るはずがない。
リヴァイの手が頬を掠めるように撫でる。

身体中にリヴァイの熱が触れ合った部分から伝わってくる。

もっともっともっと。触れて欲しい。でも言葉にするのは恥ずかしい。

スっとリヴァイの体も頬を撫でる手も離れていく。

「んな顔すんな、本当に歯止めが効かなくなる。お前を無理に抱きたくねえ。」

私は今どんな顔をしているんだろう。

リヴァイに触れて欲しい、触れたい。


「今夜は戻るぞ、冷えてきたからな。」


離れた場所から冷えて熱が落ち着いてくる。

でも冷えてきたのは身体だけで寂しい。その一言が喉から出てこなくてリヴァイに我慢ばかりさせている。

「悪かった。調子に乗りすぎた。」

「ううん、我慢させてごめんね。」

「構わねえよ」

さっきまでの雰囲気は薄れてリヴァイはティアナの髪を撫でる。

「ほら、行くぞ。」

ティアナに手を差し伸べ宿舎まで送る。

その手は別れるまで絡ませて体温を分け合った。



______

__________


自室に戻ったリヴァイは、はあ。と大きな溜息をついた。
あのままだと同意も得ずに事に及んでいた。
ティアナを抱きたい。それは本音だ。だが、欲しいのは体だけじゃない。
無理強いはしたくない。

(俺はいつからこんなに辛抱強くなったんだ?)

男である以上女を求めるのは当たり前だ。
言い寄ってくる女の中から、清潔そうな女と寝るなんて何度もあったし、それで良かった。
ティアナはそんな風に抱きたくない。体だけじゃなくて心も欲しい。
でも、そろそろ限界だ。


/ 463ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp