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君がそこにいるならば【進撃の巨人/リヴァイ】

第34章 再び異動と甘すぎる夜



出立の朝は晴天で兵士達はそれぞれ緊張の面持ちでいる中、ハンジは壁外調査日和だー!と騒いでいた。

リヴァイはウザったそうにハンジから距離をとるものの、恐れを知らない探究心のハンジは見逃してくれない。

「今日はどんな巨人に会えるかな〜!」

「うるせえ、少しは静かにしろ。」

「ねえねえ、昨日はティアナと過ごしてたんでしょ!狼になった?!ねえ!」

大声で前半はあっているが、後半は妄想でしかない事を言うハンジに蹴りを入れて黙らせる。

「痛ってえ!!」

上官に蹴りをいれたリヴァイに周りは呆気にとられ、ミケは「ハンジが悪い」ポツリと呟いた。

続々と騎乗し、その時を待つ。

キースの激が飛び開門される。

門を走り抜ける時にリヴァイは一度空を見上げ兵士達は壁外へと走り抜けた。




医療班は総出で用意をし終え、しっかりと食事をとる。
帰還後は食事をとる時間も惜しい。

「食事が終わったら全員持ち場で待機。」

班長のハーミットからの指示が飛ぶなか、ティアナの思考は不安とそれを打ち消すのを繰り返していた。
壁外調査に行った全員の無事を願うがそれは奇跡を願うことであり、被害があるのは避けられない。


(リヴァイ、どうか無事で…)

昨日は決して言えなかった言葉を声にせずに祈った。



赤の煙が時折、空にあがるも行路は順調といえる。


エルヴィンは中央でキースとともに走り、拠点予定地までの距離を測りながらも順調すぎる壁外調査に嫌な予感を抱いていた。


ハンジは壁外とはいえ、いつもの調子で近すぎる巨人の項を削ぎ、少々無謀な行動の度にモブリットはハラハラしている。

初列索敵のミケ班は奇行種も難なく対応していたが、後方からの伝達に不信に思いながらも、中央へバトンのように伝達を出す。

しばらくしてから中央に後方からの伝達が届く。

「雷のような光の後に巨人が我々を無視して北上しています!!!」

それが何を意味するのか。

まさか。

有り得ない。
有り得ないなんて、この世界に果たしてあるだろうか?

エルヴィンの頭脳はフル回転する。壁外調査で培った勘、そして最悪を想定。

「団長!すぐに戻りましょう!!」

キース含め上官に進言する。
訝しげにする上官らにエルヴィンは最悪中の災厄を予想し告げる。

「壁が…壁が破壊されたかもしれません……」


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