第6章 変わり者ばかりの調査兵団
ここのところ、リヴァイとファーラン達は言い争う事が多くなった。
リヴァイからするとファーラン達はティアナに懐いているようにしか見えない。
それが、無性に苛立つ。
「おい、お前らは目的を忘れてないか」
「リヴァイ、忘れてなんかいない。時間がかかってるだけだ。」
「ほお、その割にはイザベルは懐いちまってる様にしか見えねぇが。」
確かにイザベルはティアナに心を許している。
それが逆にティアナとの距離を縮め、かなり突っ込んだ会話もし始めている。
リヴァイの言う事も一理あるがティアナからのエルヴィンに関する情報も貴重だ。
もう少し、探りを入れて何も出なかったら、いつもの場所に行かなければ、良いだけだ。
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食事だけは三人で摂る。それは三人の暗黙の了解だ。
訓練だ、座学だと、それぞれの行動が以前よりも減った為だ。
リヴァイの不機嫌をイザベルが更に煽る。
「アニキ、ティアナは良い奴だっ!アニキも話したら分かるぜ!」
「はっ、そんな得体の知れねぇ女に懐いてんじゃねえよ。」
一番警戒心が薄いイザベルはティアナについて、歌がキレイでアニキも聞けばわかる!と熱弁する。
ファーランも何も言わないとこから、概ねイザベルに賛同しているのだろう。
これでは、文書にたどり着けるか怪しいもんだ。
あまり味を感じない食事を摂っていると、テーブルに無遠慮に座る…確かハンジ・ゾエとティアナ。
どうやらティアナはハンジに連れてこられたようだ。
リヴァイの顔を見て申し訳なさそうにしている。
そもそも、リヴァイは騒がしいのが嫌いだし、勝手に近づくのは論外だ。
「私はハンジ・ゾエ!是非、君たちと色んな話がしたくてさぁー!あ、ここ、座るね!」
もう座ってるのに今更だ。
「えっと、急にごめんなさい!どうしてもハンジさんが話したいって暴走しちゃって…」
成程、この喧しいハンジをティアナでは抑えられなかった…と言うところなんだろう。
せっかくの時間がぶち壊しだ。
黙って席を立とうとするが、奇行種と呼ばれているハンジは手強い。
「おっと、まだ、休憩時間はあるよー、そんなにせっかちになるなよー。ね、」
イザベルとファーランに苦笑いを見せるティアナ。
どうやら、この兵団一の変人からは逃げられないようだ。