第32章 規律違反
せっかくのハンジさんの好意でベッドを提供されたけど今夜の事がループして寝付けない。寝返りを打っては溜息、寝返りを打ってはモゾモゾして眠れそうにない。
どうしてリヴァイは私にキスしたの?何を思って?
でも嫌、じゃなかった。
突然過ぎて驚いて、逃げたけどそれは恥ずかしくてリヴァイから離れた。モソ。また1回寝返りを打つ。
「ティアナ眠れない?」
ハンジさんがソファから身を起こしてきた。
私の部屋だからかなぁ。枕変わると眠れない?と心配してくれる。
「ごめんなさい!ハンジさん、すぐ寝ますね」
「明日のことが心配?それとも今夜のことかな?」
「リヴァイとなんかあった?」
「いえ、何もないです!」
「ハンジさんの目は誤魔化せないよ、何があったの?」
私は大事にしてくれる人達を心配させてる。
また、規律違反してしまったし。
「じゃ、当ててみようか。リヴァイが手出したとか?」
一気に心拍数が上がっていくのと同時に顔も耳も熱い。
「あれ、当たったね。そっか、嫌だったの?」
これは観念するしかない。
「嫌では、なかった、です。ただどうしてって思ったのと急過ぎて訳わかんなくなっちゃったんです。」
なるほど。ハンジさんは米神に手を添えている
「我慢できずに手出したのか…」
ハンジさんの声は私に聞かせるつもりがないのか、呟きは聞き取れなかった。
俯いているとハンジさんはサイドテーブルから錠剤をと水を差し出して、明日、今日か。差支えがでるからさ、飲んじゃって眠っちゃえ。と私の手にグラスと錠剤を渡す。
「これは?」
「睡眠薬。眠れずに悶々としてるよりはさ、ぐっすり眠って考えたほうが答えも出ると思うよ、さあ、飲んで。」
確かに煮詰まったジャムみたいになってるのは自分でも感じるのでお礼を言ったあと、飲み込んだ。
少しするとボヤーっとした普段とは違う眠気が襲ってきて、そのまま深い眠りに誘われるまま眠りに落ちた。
「ふう。鈍感にも程があるなあ。さて、私も寝酒飲んで寝るか。」
きっと明日はグラグラしてるのも少しだけ落ち着くだろうし。まあ、規律違反罰のペナルティは確実なんだけど。
しょうがない。今のティアナよりはっきりしてるリヴァイに詳細を聞いてみるか。話してくれるかなー。