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君がそこにいるならば【進撃の巨人/リヴァイ】

第31章 気付いた?



怒り心頭の管理者と何も言わずに零れそうな涙を堪えてるティアナ。

夜に抜け出してるのは私やナナバも知っているところだ。
今まで見つかったことのないティアナは正面から勢いよく戻ったらしい。そりゃ、バレる。

正直抜け出した経験は大勢あるだろうし、なんなら私だって研究のアイディアが浮かんで兵舎に行くことだって一度や二度なんてもんじゃない。
ティアナだってそこら辺は心得てたし、バレたこと自体がおかしい。それに泣きそうなのはバレたからじゃなさそうだ。


「夜中に騒いでも仕方ないからさ、今夜は私が預かる。無断外出に関しては分隊長に報告する。いいね」

不満そうな管理担当だが、構わずティアナを私の部屋へと連れていく。

他の班長が野次馬を戻らせたのか聞き耳は立ててるだろうけど、廊下はとりあえず静かになった。

黙って俯いているティアナは今なにを考えているんだろう。

自室に着いてティアナをソファに座らせる。

「どうしたの、正面切ってなんて騒ぎになるのはわかりきっているよね?」

黙りなティアナに苛立つけど彼女の青い顔をみると強くも言えない。
何かがあったから、こんな騒ぎになる事をしたんだってわかる。

コンコン、「入るよ」
ナナバが三人分の飲み物を持って来た。
私とティアナ、自分の分とポットからカップへと温かい飲み物を入れてくれる。

「どうする?」

ティアナに目を向けてから私に聞くナナバ。

「今夜は私のベッドで寝てもらう。朝一で報告して後は任せるしかないよ。」

「ティアナ、今の状況は理解してるかな?」

小さな声で「はい」とだけ答える。

「じゃあ、今夜は私が添い寝してあげるから、もう寝よう!」

「ハンジ、ティアナの寝間着、とってくる」

「頼んだよ」

その間ティアナは人形のように動かずにいた。

少ししてから寝間着を持ったナナバが帰ってきてティアナに勝手に部屋入ってごめんね。と謝っているとフルフルとティアナは横に顔を振った。


就寝時間はもうとっくに過ぎている。
ナナバも自室に戻り、きれいなシーツに変えたベッドにティアナを押し込んで(遠慮なのか、なかなかベッドに入ってくれなかった)私は長めのソファに寝転んだ。

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