第27章 ひとつの別れとひとつの再会
道中の農村でパンとミルクの簡単な食事を摂り、夕暮れには本部に到着した。
ティアナはまだ、本部での身分証明書を持っていなかったがハンジが交渉し問題なく本部へ入ること後が出来た。
長期間離れた訳では無い兵舎等、何も変わらずに懐かしいとも思えない。
兵舎から、直ぐに団長室へ行きキースへ報告をする。
「以前通り任務に励め」
キースは言葉少なく、退室を促した。
ゲルガーやナナバ、ハンジ班のメンバーはティアナをみてキョトンとし、本部付きになったことをハンジが大声で(叫びに近い)言うと喜び、ここでも「なまってんじゃねえか?訓練つけるから付いてこいよ!」
「おかえり」「待ってたよ〜」と二ファに至っては泣き出してしまい他の兵士もなんだなんだと見始める。
エルヴィンとは廊下で会い、一瞬ティアナを見て状況を察して頷く。
「また、よろしく頼む」
食堂に行けば、結構な人数でテーブルを囲み、第3医療隊での日々を聞かれ答える。
ハンジの同期がいると聞いてナナバは、大丈夫だと思うけど。と前置きしてから、「変わり者だった?」と失礼な事を訊ねる。
「ユンカー班長はすごく常識人ですよ、仕事も率先して動くし、優しくて頼り、」
「ストーップっ!!ユンカーの話なし!なし!!」
ハンジが食い気味に叫ぶとモブリットが「いいなぁ…」と零す。
ふと、ティアナは(みんな、仕事は、、?)と思ったが水を差す真似はせずに久々の掛け合いには久しぶりだ。と感じた。
飲み物がないことにやっと気づいた面々は、せめてお茶だけでもと食堂内の給湯室へ何人かで淹れに行くとなった。
二ファが「座ってて。」と言うが、お客さんではないから。と一緒にお茶の用意をしに行くと、リヴァイを見つけた。
二ファが先に給湯室へ入ったのを見計らってリヴァイを見つめる。
驚いたのか眉間のシワがなくなり、珍しく小さく口を開いていた。
「来たよ、リヴァイ。」
「…連絡くらい寄越せ。馬鹿」
クスクスと口を手で隠すとリヴァイのシワは深くなってしまった。
どうやら機嫌を損ねたらしい。
「いつもの、ね。」
「ああ。」
それだけの会話で、スっと離れていく。
二ファがティアナを呼んでどの茶葉が良いか、全部淹れるかとまたまた珍しい冗談を言っている。
「今、行くー!」元気よくティアナは答えた。