第24章 手紙
「リヴァイ、お前の分だ」
手紙なんて俺に来ることはないと思っていたがティアナから定期的に来るようになった。
こそばゆいが、心待ちにしてるのも事実だ。
こんな所をあのクソメガネに見られたら一日中付きまとわれるのは目に見えるので、サッと受け取る。
自室の机の引き出しに大切に保管して訓練が終わり次第風呂に入る前に何度も読み返す。
「ふっ、馬鹿が。」
書かれているのはティアナの日常やドジった事等細かに記され、まるでそばにいて話してる気分になる。
俺からの返事はいつも色々と書きたいとは思うものの、手紙なんて要件だけしか(それも作戦を伝えるような)書いてきてないので、どうしても短くなってしまう。
それでもティアナからはちゃんとした手紙が来るし自分でもぶっきらぼう(自覚はしている)な手紙にも俺が返事しやすい事を尋ねたりする文面もある。
そして必ず分の締めくくりは俺を気遣う言葉で終わる。
たまに小言もくるには来るが。
しかし、しかしだ。あのユンカーに尊敬してるだとか、フォローが的確だの、書いてあるのは少し気に食わねえ。
もちろんシュニッツェル(主任とか記されていたな)同僚のリシナとのやり取りもあるが、それは気にならない。
まあ、それだけティアナがあそこに馴染んでいると喜ぶところだろう。
今日の手紙には嬉しい提案があった。
ティアナの休暇が書かれており俺も休暇になることがあれば、街まで出掛けたい。と。
悪くない。直ぐに休暇が取れそうな日を確認する。
……ねえ。見事にズレている。
なんとか、合わせたくて交渉したが以前のように変えることも出来ないときた。
「エルヴィン、頼みがある。」
「ん、お前から頼みとは。珍しいな」
借りは作りたくねえが仕方ねえ。
「休みをくれ」
「休みならちゃんと班長が考えて出してるだろう?」
「そうじゃねえ、〇日に欲しいが入れられないらしい。何とかならねえか。」
「ふむ、」
組んだ両手に顎を乗せ、どうすべきか考えているようだ。早く決めてくれ。ダメなら他の手段でもいい。
「班で決めた事に私が横槍を入れられない、が第3医療隊に渡して欲しい文書があってな。行ってくれるか」
休みじゃねえのは残念だが、悪くはないだろう。