第22章 会えない二人
二週間、公演準備費やしたことに休暇の延長が団長から提案された。
勿論、二つ返事で受け入れ、本部で過ごすことに決めた。
再度の休暇は三日間。
その間、自由時間だ。顔触れが変わった兵士には不審な顔をされたが、昼は結局ハンジ班の手伝いをし夜はあの場所へ足を運ぶ。が、リヴァイが訪れる事はなかった。
それでも来てくれると待つも昼に顔を合わせても一言も交わすこと無く休暇は明日までとなった。
嫌な予感がした。嫌われたのだろうか。アーリヤとしての自分を隠していたことが彼の心境に影響を与えたのだろうか。
ペンを持つ手が動かずに、ハンジに心配される始末。
「ティアナどしたの?」
「すみません!集中します。」
自ら集中してません。と宣言しているのと変わりない。
避けられている。リヴァイに拒絶に近い距離が辛かった。こんなことならリヴァイに真実を話し、何をしているのか?ちゃんと伝えるべきだった。
「ねえ、ティアナ、リヴァイがすっごく機嫌悪いんだけど、なんでか知ってる?」
疑問形の質問だが(リヴァイと何があったの)と聞きたいのかも知れない。
でも、あの場所での時間は幾らハンジさんであっても話したくなかった。
「さぁ、どうしたんでしょうね」
しらばっくれても、真実を探そうとハンジはティアナの瞳の奥を探ろうとするも、ハッキリした事は分からなかった。分かるのはリヴァイの態度がティアナを避けていること。眉間のシワの深さがティアナに関わっている。
「そっかー。あの凶悪顔でみんなビビってるんだよね。全く困ったもんだ」
「リーヴァイ!ちょっーといいかな。」
「お前に構ってる暇はねえよ」
「そんな風に言わなくてもいいじゃないかー。」
「……」
「あのさ、バレバレなんだよね。あなた、ティアナに怒ってるでしょ。で避けてる」
「知らねえよ。訳わからんこと抜かすな」
「へぇー、あなたもしらばっくれてティアナは落ち込んで医療隊に戻すんだね。次会えるのいつになるかも知れないのにね。」
「うぜぇな、さっさと消えろ」
「うん、そうする。意地ばかり張ってるあなたを遠くから見てるのも笑えるからね」
ハンジの指摘に増していく苛立ちを何とか抑えて、リヴァイは訓練に戻った。無愛想どころじゃない凶悪顔になりながら本人だけは知らずに。