第7章 沈黙は、語り続ける。
逃げ出した王陵璃華子を追う狡噛。ドミネーターをもった公安局の姿に生徒たちはざわざわとし始める。王陵の姿が見えない狡噛は苛々した様子で階段を降りていった。
王陵璃華子、彼女は生徒たちが群がっていた奥に身を隠していた。学園のコスに身を纏ったチェ・グソンのお陰で危機を逃れたらしい。
「……間一髪でしたね」
「助かったわ……。これも、槙島先生の計らい?」
女声のチェ・グソンに礼を言った王陵は聞く。その質問にグソンは「えぇ」と答えた。
王陵が居た部室の教室に常守、宜野座、征陸は居た。
「今すぐ学園全域を封鎖しろ! ありったけのドローンを動員だ! ……数が足りない!? 何とかしろ!!」
端末に叫ぶ宜野座。教室の入り口からは、何があったのだろうと様子を見にきた生徒が多く居た。その中に、霜月美佳も混じっていた。
「———!!」
霜月が、倒れたキャンバスの絵をみると、そこには見覚えのある、馴染みのある顔が二つ……。
「これって、大久保さんと………加賀美……!?」
霜月は、呟いた。