• テキストサイズ

【PSYCHO-PASS】名前のない旋律

第9章 狩りに最適な日



「それはっ………今のこの状況が、真壁さんの時と同じだから言ってるんですか!?」
 常守が、狡噛から聞いた真壁亜希のことを思い出して、同じ出来事が起こっていることに気がつき宜野座に叫んだ。その言葉に他の一係の仲間は反応をみせた。縢に至っては口角を上げて楽しそうな様子である。

「……フン。監視官、君もどうやら事情は知ってるようだな。……あいつが、真壁を追いかけて逃げ出したなんていうシナリオはこちらも想像できる」
 宜野座の台詞に周りは沈黙する。
 すると、シャリシャリと足音を鳴らして常守に近づいた征陸が喋り出す。

「あー、………お嬢ちゃん? 亜希のことは一旦置いといてだな、……取り敢えずマップデータを信じて、狡噛がどっちの方角に向かったか分かるか?」
 と、常守に尋ねた。
 「信号が、妙な動きをしたりとかは?」という征陸の問いかけに「”妙な”っていえば……」とその時の状況を思い出して話し始める。

「途中からいきなりスーッと、物凄い速さで真っ直ぐに……」
「———そうだ、乗り物に乗ったんだ……!」
 と、言った常守は六合塚に向かって話す。
「過去の地図情報を照会して下さい! この辺りに、南北に走る地下鉄路線がありませんか!?」
 聞かれた六合塚は「ちょっと待って」と手を動かした。

「……あるわね。”地下鉄銀座線”」
 続けてこう話す。



「でも、60年前に廃線になってる」
「……っ………!」
/ 149ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp