第5章 雨のち晴れ(時透無一郎)
『ちょっと!なんで教室まで来るの!
変な噂たったら困るんだからね!
あんたモテてるでしょ、
もっと自覚持ってよ!
私がとばっちり受けるんだから…』
「あー、もう分かったって!
悪かった!!!
昨日のお礼も言いたかったんだよ…
妹たちのあんな楽しそうな顔見るの
久しぶりだったし
親が死んでから寂しい思いばかり
させてきたからよォ…」
こんな表情の不死川を見るのは初めてだ。
…長男だから、
一人で背負ってきたんだろうな…。
『そう…だったんだ…
私でよかったらいつでも
遊び相手になるからまた誘ってよ!
私も楽しかったし!
今度はご飯でも作るよ!』
「はは、ありがとよォ!
あいつらも喜ぶぜ!」
そう言って不死川は
私の頭をポンポンしながら
くしゃっと笑った。